仕事量が多い・労働時間が長いことも、保育士が退職をする要因になっています。「当番が終わったあと、残業をしてもなお終わらず、家に持ち帰って仕事をする…」という経験がある保育士も多いのではないでしょうか。
勤務時間内に終えられない量の業務が、労働時間の長さや残業につながっています。とはいえ、保育園側も保育士に支払える残業代に限りがあるため、いわゆる「サービス残業」が常態化している園も少なくありません。
ここでは、仕事量が多い原因や、残業を減らすための対策を紹介します。
保育士の仕事量が多い原因には、「子どもの保育以外の業務が多い」ことと、「人手不足」があげられます。
一般的には「保育士の仕事=子どもの保育」と捉えられがちですが、抱えている書類は膨大です。
【例】
発達記録においては、保育士一人ひとりが何人もの子どもの様子を記録しなければなりません。そのほか、壁面装飾や行事の準備、おもちゃの消毒やトイレ掃除などもあります。
保育中はもちろん、子どもの遊びや発達のサポートが中心です。そのため、事務作業に割ける時間がなく、残業につながってしまいます。
人手不足も軽視できない要因でしょう。保育園には「配置基準」が設けられており、基準ギリギリで運営している園もあります。
しかし、配置基準ギリギリで運営するということは、保育士の人数もギリギリということです。最低限の人数しかいない場合、どうしても一人あたりの業務負担は増えてしまいます。業務負担が増え、残業や長時間労働が続いてしまうと、退職を考えるようになるのも無理はありません。
実際に保育士で働いていた(あるいは働いている)経験がある人に、残業についてアンケートをとってみました。自分と照らし合わせて、是非参考にしてみてください。
※調査対象:「保育士業務の経験の中で残業があった」と回答した、
埼玉県在住の20代~60代の男女82名。(2023年9月調査実施/調査機関:fastask)
1ヶ月の平均残業時間は5時間未満の人が52.6%と過半数を超える結果となりました。一方で、10時間以上も残業している人が約20%いるということもデータから明らかです。このことから、残業が常態化している、という保育士の人も非常に多くいると想像できます。
※調査対象:「保育士業務の経験の中で残業があった」と回答した、
埼玉県在住の20代~60代の男女82名。(2023年9月調査実施/調査機関:fastask)
月の平均残業時間は5時間未満の人が多かったものの、一方で月に5時間以上残業したことがある人も多いようです。なんと半分の人が5時間以上の残業を経験しています。普段は残業がない場合でも、イベント前は残業もやむを得ない……というパターンがあるのではないでしょうか。
※調査対象:「保育士業務の経験の中で残業があった」と回答した、
埼玉県在住の20代~60代の男女82名。(2023年9月調査実施/調査機関:fastask)
残業は1時間未満に抑えたい、という声が52.6%と、「なるべく残業したくない」と感じている人が多いことが伺えました。必要であれば残業は仕方ない部分もありますが、あまりに長いと心身の健康も損なってしまいます。ただでさえ保育士は体力勝負な一面がありますので、なるべく残業は短い時間帯に抑えたい……と考えている人もいるのではないでしょうか。
※調査対象:「保育士業務の経験の中で残業があった」と回答した、
埼玉県在住の20代~60代の男女82名。(2023年9月調査実施/調査機関:fastask)
79.5%と、80%に近い人が「残業を持ち帰っている」という結果になりました!家に仕事を持ち帰ってしまうと、せっかく帰宅してもなかなか安らげないのではないでしょうか。保育士=残業の持ち帰りが当たり前、というイメージにも繋がってしまいそうです。
※調査対象:「保育士業務の経験の中で残業があった」と回答した、
埼玉県在住の20代~60代の男女82名。(2023年9月調査実施/調査機関:fastask)
週に1回以上残業を持ち帰っている、という人が圧倒的に多かったです。なんと11.3%の人は「毎日残業を持ち帰っている」ということもわかり、保育士の仕事量の多さが伺えます。
※調査対象:「保育士業務の経験の中で残業があった」と回答した、
埼玉県在住の20代~60代の男女82名。(2023年9月調査実施/調査機関:fastask)
残業が原因で転職したいと思ったことがある人は、69.2%と7割近い数値でした。「こんなに仕事が大変な環境なら、転職して一新してしまおうかな……」と思ってしまう保育士が少なからずいることがわかります。
残業を減らす対策には、「業務の効率化を図る」「残業の少ない施設へ転職する」などの方法があります。
業務の効率化を図りましょう。業務を効率化できれば、その分ほかの作業に時間をあてられるようになるため、残業の軽減につながります。
たとえば、以下のような効率化が考えられます。
全てを「手づくり」「手作業」でするのは、一見ていねいに見えますが、過労にもつながりかねません。効率化できる業務は効率化して時間を削減し、残業時間の軽減につなげましょう。
分担できる作業は、分担しましょう。作業を分担することで、一人ひとりの負担を軽くできます。また、行事の担当同士、クラス担任同士といった具合にそれぞれ役割分担をすることで、チームワークが生まれることもあります。
「保育士の人間関係は複雑」とも言われますが、それぞれの保育士が協力し合える体制が作れると、業務負担の軽減だけでなく、職場内の雰囲気もよくなる可能性が見込めるでしょう。
残業の少ない施設へ転職するのも、ひとつの方法です。たとえば、企業内保育園では、運動会や季節の行事などが少ない傾向があります。
なぜなら、自社で働く従業員の子どもを預かっており、保護者たちが一斉に休みを取るのは難しいからです。行事の準備による残業や持ち帰り仕事がなくなる分、業務負担は少なくなるでしょう。
保育士の仕事は、子どもの保育から事務作業まで幅広く、業務量は膨大です。効率化などの対策をおこなっても残業が減らない、負担が多い場合には、残業の少ない園を探してみるのもよいでしょう。
残業が少ないことは、保育士の業務負担の軽減に直結します。家に持ち帰って仕事をする必要がなくなり、休日は思いきり楽しめるようになるかもしれません。
2023年1月18日時点で「保育士バンク(https://www.hoikushibank.com/)」にて「埼玉県×認可保育園×20~25万円×正社員×残業なし」で検索して表示された保育園グループの内、採用に関する専用のサイトを持つ保育園グループの中から、埼玉県内の保育施設が多いものから3つをピックアップ。「働きやすさ」についてそれぞれの特色をまとめました。
14施設(戸田公園、武蔵浦和、川越レイクタウン、西川口など)
17施設(大宮、針ヶ谷、日進、北浦和、戸塚安行など)
19施設(浦和常盤、浦和美園、宮原、越谷、草加、八潮などなど)
【選定条件】
2023年1月18日時点で「保育士バンク(https://www.hoikushibank.com/)」にて「埼玉県×認可保育園×20~25万円×正社員×残業なし」で検索して表示された保育園グループの内、採用に関する専用のサイトを持つ保育園グループの中から、埼玉県内の保育施設が多いものから3つをピックアップ。
・『多様性』を重視し、1人ひとりに合った施設を提案
フロンティアキッズ(さつき保育園、つぐみ保育園など)
⇒上記条件の中で唯一、資格手当・役職手当などキャリア手当を明確にしており、なおかつ保育施設ごとに独自の教育理念・環境を提供している。
・『スキルアップ』を重視し、年60回の研修を実施
WITH GROUP/彩保育会(うぃず保育園)
⇒上記条件の中で唯一、研修制度の年間回数などの詳細を明確にしている。
・『システム化』を重視し、AI導入による業務改善を提唱
・アルタナーサリー(アルタキッズ)
⇒上記条件の中で唯一、AI導入による業務改善を提唱している。